ゲームって公開しただけじゃプレイされないらしいですよ?
この記事はなに
はじめまして。一回生コーディング課のTZと申します。つよつよ上回生に囲まれ震えあがる日々を過ごしております。
今回のアドカレは『ゲームって公開しただけじゃプレイされないらしいですよ?』という若干煽ってるタイトルでお送り致します。 実際、どっかの記事も良いものを作れば自然と広がるっていうのは幻想で、クオリティとマーケティング両方大事って言ってましたしね。
というわけで、ゲーム総数が多すぎて公開しても埋もれてプレイされないよね、っていうお悩みを、広告がどうのとか作った後のマーケティングではなく、ゲームの企画の部分で少しでも解決したいな、という記事です。よろしくお願いします。
ゲームはプレイされない
ゲームは公開してもプレイされません(主語が大きい)
より正確に言うと、大多数のゲームはプレイされません。数百万DLを超えるアプリがランキングに並ぶ横で、数DLとか10+DLとかでダウンロードが止まるアプリなんて星の数ほどあります(私の昔リリースしたアプリもそうです)
なぜダウンロードされないのか?存在を認知できないからです。
認知された上で、好みに合わないとか時間がないとかでダウンロードされない、プレイした結果アンインストールされるのは別の問題です。しかし、大多数のゲームはまず土俵に立てていません。存在を知られていないのです。
頑張って作ったのにひどい!と思われるでしょうが、冷静になって、プレイヤー側として考えてみましょう。私たちは普段、どうやって初めてプレイするゲームと出会いますか?
私だと、今月先月はAmongUs,Apex,FallGuys、A.I.M.Sあたりを新しくダウンロードしたでしょうか。最初三つは姉妹に誘われて、最後一つはアプリストアのランキングを見て知りました。
いやいや、アプリストアとかネットで調べてゲームの情報を収集しているぞ、新作ゲーム情報とか見てるぞ、という方もいらっしゃるでしょう。しかしそれは普通ではありません。世の大多数はゲームオタクじゃないのです。積極的にゲーム関連の情報収集が行われている前提で動いてはいけません。
現在、世の大多数のプレイヤーは、受動的にゲームを認知し、消費しています。
①Youtubeで実況されている動画を見て
②知り合いに誘われて
が主なダウンロードのきっかけでしょうか。ランキング流入、広告流入、またはゲーム情報誌などに取り上げられるなども考えられますが、特に影響が強いものはこの二つです。
私たちがゲームをリリースするとき、重視すべきなものもこの二つです。ランキング、情報誌などは能動的に情報を獲得しようとする一部にしか効果がありませんし、広告は出稿する必要がありますが、この二つなら受動的な大多数にアピールできる上、広告出稿費がかかりません。
ちなみに、いわゆる『実況動画』が一定の宣伝効果を持っていることは、『ゲーム産業におけるインターネット上の著作権侵害と経済効果-ゲームプレイ動画とゲームソフト販売本数に関する実証分析』(山口真一)という学術論文でも示されています。
ということで、ゲームをプレイしてもらいたい、そのためにゲームを認知してもらいたいと思ったら、Youtubeでの実況や、知り合いへの口コミをしやすい、したくなるゲームを作る必要があります。
どうやってそんなゲームを作るのか(AmongUs考察)
上記の実況、口コミをしやすい、したくなるゲームを、『口コミゲーム』と雑に略します。口コミゲームとは、どういうものなのでしょうか。
今年でいえば、AmongUsがそれに該当すると思います。FallGuysもでしょうか。実際、AmongUsは私が姉妹に誘われ、しぶしぶやった結果ドはまりし、私自身十人程度くらいには口コミしまくっています。これは私が口コミ魔とかいうわけではなく、AmongUsが口コミを強力に『させたくなる』ゲームだからです。
AmongUsを軽く説明すると、自由度の高い人狼でしょうか。最大十人で一つの部屋を作り、宇宙船を修理するミニゲームに追われながら、人狼をします。(いわゆる人狼にあたる役職のプレイヤーは、宇宙船を修理するふりをしながら、修理を妨害し、他プレイヤーたちを殺害していきます)
人狼を修理ミニゲームに内包し、初心者に優しくした素晴らしさや、ワンタップではなく自分で村人を殺害しないといけなくなったため人狼の自由度があがったという話は、長くなるので割愛します。
大事なのは、AmongUsが人狼ゲームだということです。人狼ゲームは、あまりに少数だと成り立たず、プレイヤーが多いほど楽しいゲームです。それが肝です。ちなみにコミュニケーションを強制される(誰が怪しいと思う?という問いが会議で投げかけられるなど)ゲームで、コロナ禍で孤独を感じていた人々が孤独を癒しやすいコミュニケーションゲームであるというのも、AmongUsの人気に一役買っていますが、例によって関係ないため割愛します。
みんな、プレイしたいから知り合いを誘います。
自分だけじゃプレイできないので。
(ルーム作成はありますが、使いづらいテキストチャット、しかも英語のみということもあり、快適にプレイしたいなら身内とディスコードを併用しプレイすることが最適解です)
誘われた人はゲームを好きになり、自分がプレイするときに人を誘う側になります。このマルチみたいな口コミの広がりが口コミゲームの強さです。
また、このようなマルチゲームはYoutubeでの実況動画が本当に増えやすいです。Youtubeはコラボ動画文化が盛ん(検索が少し貧弱な都合上、コラボで参加者たちのファン層をシェアする形態が効果的)なのですが、マルチゲームはコラボ動画にかなり適しているからです。全員で同じゲームに入ればいいだけなためです。大人数収容するゲームであればあるほど、希少ですし大規模コラボができて視聴者層も広がります。
AmongUsは二陣営の見える世界がわりと違うというのも都合がいいです。●●視点とかいって数バージョン出せます。コラボ動画でもそれぞれの実況者で動画が出せる。素晴らしい。
で、どうやってそんなゲームを作るんだ (本命)
ということで、つらつらとAmongUsの考察をしてきたのですが、実際ゲームを作るときどんな企画を立てればいいのでしょうか。とりあえず箇条書きで書いてみます。
- オンラインで、多人数で遊べるゲーム
- 二陣営に分かれるゲームがいいかも
- モバイルゲームがいい
- シンプルに言い換えられるゲームがいい
①オンラインで、多人数で遊べるゲーム
これが一番大事です。AmongUs,FallGuys,あつまれどうぶつの森などがそうです。多人数で遊べるゲームは、大勢でわいわいできてそれだけで一定の楽しさが担保されていますし、人が少ないより多いほどが楽しい、身内でやりたいというバランスを作れれば、AmongUsのように口コミ効果も狙えます。
また、あつまれどうぶつの森が一種のインフラになっている、といったような記事を見かけましたが、このようなコミュニケーションゲームはまだまだ続くであろうコロナ禍において非常に強力です。
②二陣営に分かれるゲームがいいかも
多人数ゲームといえば、FPSで多いバトルロワイアル式か陣営に分かれる式か、チーム式かとかいろいろありますが、二陣営に分かれるゲームはかなり効果的なのではないでしょうか。
#コンパス、AmongUs、identityⅤなどは二陣営に分かれるゲームですが、陣営に分かれるとやはりそれだけである程度の楽しさが担保されます。味方を意識して、『あ、●●やってくれたんだ』とか、『あれやってるならこうサポートした方がいいかな』という思考ができ、それにより味方のためアクティブにゲームをしようとする効果が生まれます。
また、功績をあげて味方内で目立ちたい、褒めてもらいたいという承認欲求が刺激できたり、さっき味方だった相手と敵対して寂しいとか、さっき敵だったけど味方になって頼もしいとか、いろいろ感情を揺さぶりやすいです。
③モバイルゲームがいい
PCゲームよりは、モバイル(Android,iOS)の方がいいです。荒野行動とPUBGという二つのゲームを御存じでしょうか。どちらもFPSのゲームなのですが、荒野行動はPUBGというPCゲームに酷似したモバイルゲームで、PUBGより後にリリースされました。そのため、パクリだと騒がれ荒れましたが、荒野行動を支持するプレイヤーは少なくありませんでしたし、荒野行動のプレイヤーはあまり減少しませんでした。
パクリはだめだ、PUBGをやれ。そういっても仕方がないことだったからです。のちにPUBGはモバイル版を出しましたが、それまではPCのみのゲーム。もう、世の大多数はPCなんて持っていません。持ってない端末のゲームはプレイできないのです。反対に、モバイル版なら大抵の人がプレイできます。プレイヤーの母数が圧倒的に違います。
ということで、ゲームはモバイルで出しましょう。基本無料形式が良いです。(特にマルチゲーム口コミ戦法をとる場合、やろーよ!といっても、PC有料だとPCない、金ないとかでせっかく口コミしてもダウンロードまでいきません。モバイル基本無料ならとりあえず誘われてダウンロードくらいまでは行きやすいでしょう)
④シンプルに言い換えられるゲームがいい
AmongUs→宇宙人狼
IdentityⅤ→鬼ごっこ
#コンパス→陣取り合戦
などです。シンプルに言い換えられると口コミのときに説明しやすいですし、企画としても軸が定まりやすいです。
最後に
ということで画像もない中、つらつらと企画考察ノートの内容を申し訳程度に整理しつつお送りして参りました。なお、私はまだ上記のようなゲームを作ったことはありません。(これから作ります)
Q.マルチゲームってサーバーとか同期処理とかめんどくさいんじゃないの?
A.そうらしいですね!!!よくわからんけど!!(血涙)
画像がないのは寂しいですし、最後に私がブラウザゲームとして公開したゲームの再生数画像を注釈付きでお送りします。認知って大事。
ちなみに最新作のみ都合上映っていません。
ぶれいばぁこっく(タワーディフェンス)
一か月くらいで作った初投稿作 かなり本気で作ったもの
インスタント密林(クリッカー)、増殖エスケイプ(脱出ゲーム)
一週間で作ったUnity1weekという一週間でゲームを作る、UnityRoomと呼ばれるフリーゲーム投稿サイトのイベント参加作
桜の散る夜、みおちゃんのつうがくろ(両方アクション)
一週間程度で作った習作
TenRoom(脱出ゲーム)
ゆるく一か月程度で作ったもの
閲覧ランキング
1.TenRoom
2.増殖エスケイプ
3.ぶれいばぁこっく
ということで、一か月本気で作ったゲームがゆるく作ったTenRoomや、一週間で作った増殖エスケイプに負けています。脱出ゲームのジャンル自体が強いからです。
脱出ゲームは、ジャンルそのものにファンがついている特殊なジャンルです。決まったシステムで統一されており、一つのゲームが短いため、類似の作品を常に探すような習慣がついているのでしょう。
脱出ゲームは公開しただけで、脱出ゲームのファンサイトにページができ、そこからプレイヤーが流入します。これは、広告出稿や情報誌への取り上げと理屈的には変わりませんが、アプローチしている層が違います。広告出稿や、情報誌の取り上げは、『ゲーム』という大枠に接している人へアプローチしますが、専門サイトだと、『そのジャンルに飢えている、自分から情報を取りに行くアクティブプレイヤー層』にアプローチします。そのため、母数当たりの有効度がかなり高いです。という感じで、認知は大事だよ、というお話でした。
長文乱文を最後まで読んでくださりありがとうございました!マルチゲームつくろう
次は明日、12/7に四日目、DJふぁなし君がFlashゲームについて書いてくれるそうです。お楽しみに。